「火入れ」を新居住人と瓦との”出会いの儀式として”演出し、式では、一家が「家内安全」「絆」「感謝」としたためた半紙を窯に入れ、その想いとともに瓦を焼き上げます。
「土に生まれ、土に生き、土に育まれ、土にかえる」
「瓦をまとうことは、そのまま土をまとうことなり。母なる大地に包まれる喜びを知る…」
火入式とは、新居を護る屋根に敷く瓦を新居住人が自らの手で「火入れ」を行う儀式です。
大量生産の瓦ではなく、新しく建てる家の屋根に敷かれる一軒分の瓦だけを施主自身が自らの手で、一家を末永く見護ってくれるようにと、瓦1枚1枚に想いを込め火入れを行います。新居住人と瓦との”出会いの儀式として、式では、一家が「家内安全」「絆」「感謝」としたためた半紙を窯に入れ、その想いとともに瓦を焼き上げます。
瓦に想いを込める
瓦の原料と同じ土を混ぜた墨で家主の想いを半紙にしたためていきます。その想いがやがて灰となり瓦の1枚1枚に行き渡り、その瓦が敷詰められた屋根から家全体へ行き渡るように、更に一家全体に行き渡るようにと願いを込めます。雨からも風からも一家を末永く護ってくれるようにと。
火を入れ1枚1枚に魂を宿す
想いを込めた半紙が窯の底に納められ、点火とともに窯の蓋が閉じられていきます。
じっくり焼き上げられた瓦は燻し銀の風合い引き締められ、家を護る強度を備えて新築家屋へと運ばれていきます。それを瓦職人の手によって1枚1枚丁寧に屋根へと敷詰められ一家を風雨や災害から護る瓦屋根へとなるのです。